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一九二四年 四月四日 果穂子
佐伯果穂子の生涯に就て云へば一ツ二ツ、辻褄の合はぬことが起ってゐる。
【一九二四年 四月四日 果穂子】
ひら、ひらりと揺れる。
金魚が泳ぐ。
水はどこまでも透明なのに、多くの人は水を絵に描くとき、何故青い色を使うのか。
水の冷たい清浄さが、寒色のブルーと重なるのか。
金魚はそのつめたさに抵抗している。燃えるような赤い色を纏ってひら、と花のような尾をゆらめかせ、水を発熱させようとしている。
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