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勝手な思い込みなのは重々承知だが、何だか六花だけが置いてけぼりを食らった気分である。
六花の内気は今に至るまで改善されずにいる。社交性も目立つ才能もない。強みといえば精々読書家であること、そこから得た膨大な知識を持っていることだけだ。
六花には、ここしかなかった。図書館しかなかった。
図書館で働きたいという積極的選択ではなく、図書館しか拾ってくれないという縋るような思いだけで司書を目指した。
勿論ただ本が好きという理由のみで務まる程この仕事は甘くない。実際、どんな仕事に就いていたって人と人との交流は避けては通れない。それどころか、レファレンスサービスの仕事に至ってはかなり高度なコミュニケーション能力が必要なのだと知った。
それでも曲がりなりに一人のライブリアンとして、六花はこの仕事を愛していた。特別美しいこの図書館で、本に囲まれて日々本のことを知り知識を足してゆく。そういう意味では六花は六花の憧れを叶えている。
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