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その後どうやって過ごしたかは明確には覚えていない。
幼馴染だという明日香と母に混ざり、健は夕食についた。
健の大好物のクリームコロッケと、タコと大根の煮物が食卓にはあった。
おいしそうにそれらを食べる明日香は、健の家の隣に住む幼馴染のはずなのだが、それ以上は彼女がどんな人物なのか思い出せなかった。
頭痛のせいかな?
先ほど明日香が触れた頬に手をやる。
割れそうなほど痛かったのに、何故か明日香が触れたらすぐに治った。
「まだぼうっとしてるの? せっかくあんたの好きな物作ったのに。張り合いないわね」
箸も付けず呆ける息子にため息をつく母の声が、ひどく遠くに聞こえた。
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