恋をする生き物

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 翌朝。いつの間にベッドに移動したのだろう。  寝巻のスウェットにもきちんと着替えられている。  アラームが鳴る前に目覚めた健は、昨日とは打って変わって軽い体に気分が良くなった。  カレンダーに目をやる。  12月28日。昨日はピーターパンの日だった。  母が好きな童話だから覚えている。小さい頃は仮装して、よく母を喜ばせていたものだ。  今はもう中学生だし、もちろんそんなことはしないが、毎年家族で一緒にアニメを見るのが習慣だった。  昨日だって…あれ? 見たんだっけ? 一緒に。  その後、うたた寝してしまって、起きたら母と明日香が夕飯を食べていて…。  たぶんそう、いつも通り。父は仕事で遅くまだ帰っていなかったが、母と明日香と三人で見たはずだ。  明日香の家は共働きで、健の家で過ごすことがよくあった。  本当は娘が欲しかったらしい母は、実の息子より可愛がってるんじゃないかとの疑いがある。  クリスマスも誕生日も、一人になってしまう明日香のため、盛大なパーティーを開いていた。  今年だって、やったはずだ。そう記録されている。  ……記録されている?  何となしに浮かんだ言葉にひっかかった。 「まぁいいや。後で明日香にでも聞いてみよう」  健は着替えると、朝食を食べるため、一階のリビングに向かった。
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