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「“上”の総領は領我家から?」 戒斗の質問を受け、和人はいったん則友に目をやり、ゆっくりとうなずいた。 「父が私の双子の兄とすり替えました。前、そして現“上”の達ての依頼、そして曾祖父の解放すべきだという意向が咬み合ってのことです。上は両一族の犠牲のうえにありましたから」 隼斗はため息をつきながら首をかすかにひねる。 「いま立て直しは相成り、ようやく出発点ということか」 「はい。このさき、領我家は内側から蘇我を監視して参ります。あわよくば、有吏の血で浄化もありかと」 そう云いながら和人の目は孔明を向いた。 孔明は肩をそびやかして応じる。 「どんな形であれ、実権は握るつもりですよ、伯父上」 「有吏で学べばいい」 孔明の言葉を受けて隼斗が受け合う。 「遠慮なく」 そして隼斗と和人は固く握手を交わした。
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