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「領我頭首、それは私の裁断力の欠如だ。そういうことだろう。領我家が視野に入りながら、和人――あなたの名を見逃すとはどうかしていた。経緯を聞かせてもらえるか」 「御意」 領我頭首――和人は一礼をして話し始めた。 「戦時中、崇家との由縁についての経緯はすでにご存知かと。 私の父、尚斗は、戦地に赴いていた蘇我法家の総領を乱に紛れて焼殺。 自ら顔に火傷を負い、領我家総領とすり替わりました。 曾祖父である和斗と父による苦渋の決断だったかと思われます。 蘇我として生まれた我々のほかに“もう一つの一族が在る”。 それが父以降、領我家が尽くすべき真の一族――と、そう訓育されてきました。 再生は崇家に始まる。 私以下、これまでその遺言のみを頼りに動いてきた次第です」 「なぜ曾祖父は隠さなければならなかった」
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