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ベッドをつけた壁に背中をもたれ、投げだした脚がベッドからはみ出している。
脚の上にある手は力尽きたような様だ。
その姿はあの日を思いだす。
驚くよりは、今日何度めだろう、後悔した。
戒斗は見つめるだけで何も云わない。
叶多はベッドに這いあがって戒斗の手を退けながら脚の上に跨った。
戒斗の腰に手をまわして肩に頭を預ける。
戒斗の腕は反応しない。
それでも叶多は長くそのままでいた。
ゆるやかに動く船の上は心地いい。
が、ふいにそこから落ちそうになって躰がピクリと跳ね、叶多はパッと目を開けた。
薄らと眠っていたようだ。
無意識に躰を起こそうとすると、だらりとしていた戒斗の手が叶多の腰にまわった。
直後、躰をひねるようにしてベッドに倒され、目も完全に覚めた。
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