215人が本棚に入れています
本棚に追加
バスルームでほどよく蒸されたあと、賢治郎は足りないとばかりにあたしにまたのしかかったのだ。
全身だるくて痛いところもあるのに、なぜか逆らえなかった。
つまりこれが、いまのあたしにとっての強烈な非日常。
たった数時間前まで、品行方正な女教師だったはずなのに。
そんな違和感さえも今は官能に油を注ぐ。
組み敷かれ、ときどき上に乗せられながら、ただ彼の首っ玉にしがみついてみっともないほど乱れた。
自分がこんなにむき出しの女になれる女だとは思わなかったのだ。
なにより欲しくなるのは賢治郎の唇だった。
一見薄く、情のない男と思わせる形をしているくせに、いざ吸いついてみると妙な弾力にうっとりとしてしまう。
.
最初のコメントを投稿しよう!