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生活費は、おじいちゃんが出してくれていて、お父さんからも私の養育費が払われているみたいだから、働かなくてもいいんだって、お母さんは言う。
だけど、学校の友達で、親が離婚している家は、お母さんが頑張って働いているし、ちょっと不思議だった。
「うちは困ってないから」
というのが、お母さんの口癖。
確かに、おじいちゃんはそれなりに裕福みたいだけど、特別リッチなわけじゃないと思う。
だって、一緒に住んでいる伯父さんの奥さんは、働きに出ているし。
それに、私は幼稚園も学校も、普通の公立だ。
お母さんの考え方は、ちょっとわからないところがある。
今まで一度も働いたことがないからなのかな?
真理子さんは、早くに旦那様を亡くして、学校の先生をしながら、航平さんと行成さんを育てたんだって、お父さんが言っていた。
その行成さんは、私たちの少し後ろを歩いている。
お父さんが、まだ私の手を握ったままなのに気付くと、急に子供っぽい気がして、手を離した。
お父さんはちょっと寂しそうな顔をしてから、真理子さんと話しだした。
私は歩くペースを緩めて、行成さんに並ぶ。
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