君の半分と僕

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**** 僕達は笑顔で病院を出た。するとその直後に電話がかかってくる。 警察署からだ。 恐らく絵里の下半身の事だろう。 僕は電話に出て「はい、はい」と返事をして電話を切った。 「下半身あるから取りに来いってさ」 予想通りだったので、それについての感想を絵里は特にしない。 「ねぇ、隆ちゃん」 「ん?」 僕が絵里に目線を向けると、絵里は真っ直ぐ前を見ていた。 その視線の先を見ると、赤ん坊を抱いた女性が前から歩いてきている。これから産婦人科にでも行くのだろうか? 絵里はその女性……特に赤ん坊を見ながら希望に満ち溢れた目をしながら笑顔を見せて言う。 「ううん、なんでもない」
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