君の半分と僕

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“ふん。後悔するなよ?後悔してもしらないぞ?” もう一人の僕が捨てセリフを吐く。 “どうしようもない子ね。誰に似たのかしら” 僕の決断に親だったらこんな反応をするだろうか? 僕は絵里を抱きしめて「何とかなるよ」と耳元で呟いた。 「だから、そんな事言わないで」 「隆ちゃん?」 「別れようなんて、二度と言わないで」 「隆ちゃん?泣いてるの?」 「え?」と僕が目じりに指をあてると、指先が濡れた。 気付かないうちに泣いていたらしい。 「あり……がとう」 と絵里は声を震わせて「もう二度と言わない」と涙を流した。
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