1人が本棚に入れています
本棚に追加
「金色に?」
「はい。私もう嬉しくて嬉しくて。それからは良いことばかり起こるようになったんです」
「じゃあ、幸運の髪だね」
「でもどうして一晩で髪の色が変化したのかが気になっていて……」
「それなら昔、おとぎ話で聞いたことがあるよ。月の精霊の仕業かもね」
「月の精霊……?」
「うん。月の精霊が100年に1度だけ地上にやってきて願いを叶えてくれるっていうお話なんだよ」
「わぁ。素敵なお話ですね。
あっ、言いそびれていました。
ディラン王子、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
華やかなドレスを着て、王子様と踊るマリア。
まるで夢の中にいるような幸せな一時に、笑顔が隠しきれません。
「良かったね」
月の精霊がそう呟くと消えていきました。
《終》
最初のコメントを投稿しよう!