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2. 純銀に輝くセダン
オレが物心ついた頃、そこには既に「オッチャン」がいた。
母子家庭だった我が家に時折、ふらりとやってきて夕飯を共にする大人の男。
どこか大きな会社の管理職らしく、中肉中背の筋肉質な身体を地味なスーツでいつも包んでいた。
休日に遊びに連れて行ってくれることが年に幾度かあって、そんな日のオッチャンの私服はとってもダサかった。アパレル関連の会社に勤めていた母には、それが我慢ならなかったらしい。
オッチャンの誕生日やクリスマスに贈るネクタイやポロシャツを選ぶために、オレはよく百貨店に付き合わされた。
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