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「白紙の申告書類が同封されているようです。『ペア殺しのチャイについて判明したことがあれば、速やかに情報を書き込み報告すること』、とのこと。噂の一件、旦那さまは情報収集班になったのですね」 「そうです。というか、今回に限ってはCTクラス以外のラボ隊員はほとんどが情報収集に回されたようです。まったく、CTクラスは相変わらず他の隊員のことを小間使いのようにしか認識していない感じが腹立たしい……。後でいいので、その手紙はいつもの三段目の棚にしまっておいてください」 「分かりました」 ロッコは手紙を片付けて服の中にしまうと、廊下に佇んでいるカートにかかったままのカーディガンを歩きざまに手に取り、目の前に見えてきた扉の前で立ち止まったコグレの腕にかける。彼の低い背ではコグレの肩まで届かないが、それを指摘されることはない。カーディガンを羽織るとコグレは手袋を外してロッコに渡した。 「もう来ていますか」 「はい。すでに席についていただいています」 「わかりました。ロッコも来てください」 「……はい」 コグレの言葉に少し目を見開いてから、ロッコは扉の向こうへ進む背中をさらに追いかけた。扉の奥の大広間にも満足な明かりはなく、ほのかな優しい色の光が暗闇をぼかすようにただよっている。
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