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「……はい、なんすか」 「急な訪問に驚かせてしまってすみません。わたしはノダ。ある連絡を受けて伺いました。あなたはここの家に登録されている〈88B5〉で間違いないですか?」 妙に耳馴染みのある女性の声だった。キューシャは黙って先の会話に耳を傾ける。 「88……? や、わかんないっすね」 カイがそう答えた途端に複数人がゴンドラから出てカイの腕をつかみ、状況についていけず混乱しているカイから自由を奪う。ノダは冷静に話を続けた。 「何も説明しないままで悪いわね。悪いついでに、少しついてきてもらっていいかしら」 「ラボまで?」 「そうよ。あなたに聞きたいことがある人がいるのよ」 「……今大人しくついて行ったとして、俺はまたここに戻ってこれるのか?」 「さあね。それは返答次第じゃない?」 カイは、ごくりと息を呑むしかなかった。白衣に背後から掴まれた両手は、腰に忍ばせている銃に伸ばすことができないままだらりと垂れている。 「……」 ゴーグルをしていないノダの、子どものように丸い目をじっと見た。
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