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 中学生の時から不良と呼ばれ、街の愚連隊て悪さばかりしてきた俊太は、同じ十六歳でシンナーでしなびてしまった少女や、格好ばかり粋がって中身のない若者のの中にあり、世の中をバカにしていたし、希望も持てなかった。  腕っ節を買われて哲郎に拾われたのは二十歳になる直前だ。  人は転がり落ちると勢いを止められないものだと諦めていたのに、大人達に弄ばれて尚、背筋を伸ばして真っすぐに人を見る澪が、健気であると同時に、導かれる希望のような光に見えた。  東吾はきっと、闇の目を持ちながら闇に逆らうこの強い光に惹かれたのだろう。  それは、女だろうが男だろうが、関係はないと素直に思えた。  うんうんと、満足そうに頷きながら踏み入ったリビングで、いや待て、おれの光が…、おれの可愛い弟が……。  リビングのソファの上で、これ以上絡まりようがないほどにもつれ合っている二人は、俊太の存在を思いっきり忘れている。
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