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極めつけに背中には【白と黒の翼】が生えている。
浮世離れした美しさと相まって、もはや天使にしか見えない。
その天使が、ゆっくりと降下しながら辺りを見回して、何かを呟いていて。
――唐突に、目が合う。
ボクと目が合って一瞬驚いたように双眸を見開いた天使は、すぐに頬を弛め、目を細めて微笑んで……何か、口元を動かして喋りかけて来たようだった。
「少し待ってろよ。すぐに助けてやる」
声は聞こえなかった。
でも、そう言ったように思えたんだ。
彼はそれだけ言うと、また円形の穴を通って上に戻ってしまって……。
また闇の中に取り残されてしまったけれど、今度は、あまり寂しくなかった。
彼がまた、会いに来てくれる気がしたから。
それに、いまは先ほどの絶対的な闇の中とは違う。
一条の光が射しこんでいて、少し明るくなっている。
周りを見渡せば、どうやら元々一人ではなかったらしいことにも気づいた。
何人いるのか、何十人かも分からないけれど、ボクのような十代の少年少女や、大人の女性もいて、皆一様に一人用のベッドみたいな籠の中で眠っていて……。
もしかして、ボクもそうなのだろうか?
そう思って、ボクはボクを見ようとして――
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