△弐

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 ならば、ここに留まっている必要などない。  助けが来るまで、好きなところで好きなことをしていれば良いんだ。  そう考えついたボクは、これから何をするか思い悩んだ末に、ボクを助けてくれそうな先ほどの天使が、一体どうやってボクを助けてくれるのか気になって、それを見届けようと思った。  そうと決まれば早速移動しよう。  とにかくこの狭い暗闇から出ようと、ボクは彼が開けてくれた円い穴を通って、上に抜けた。  空を泳ぐように、すいすいと空気を掻き分けて。  先ほどとは打って変わって広大な空間に出る。  大型機とかの格納庫かな?  飛行できるというのは何とも爽快な気分になるね。  思わずその空間でぐるぐると八の字に飛んでみたりして。  勢い余って柱にぶつかりそうになり目を覆ったが、衝撃は一向にやってこない。  恐る恐る目を開けると、ボクは柱に埋まっていた。  そうだ、いまは幽体だったんだ。  物質にはさわれない。  なら、扉とかをわざわざ通る必要はないってこと? ……天井を突き抜けて、そのまま階上を目指すことにした。  上へ、上へ、どんどん上へ。  どうやら大きな船の中らしい。  あちこちに壊れたアンドロイドが横たわっている。     
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