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これで、この船の全てが、俺の射程範囲内だ。
一撃で、奴を葬ってやる。
対象と自分の位置を第三者的に把握し、彼我の相対距離、角度を割り出す。
銃を構え、初弾装填。
銃口は斜め下方向、階下の目標に向け、射角調整、照準固定。
人体なら、どの分子を壊せば連鎖崩壊するかは簡単だ。
生命体を構成する分子において、中核をなすものは炭素である。
そのたった一種類の原子核を分解してしまえばいい。
何度もやってきた手順で共振周波数を設定し、引金に指をかける。
この瞬間が、堪らない。
他人の命を奪うとき……それだけが俺の心を震わせる唯一の瞬間であり、至高の一瞬だ。
俺の一発で、その腕が、足が、顔が、身体が、無残に塵と化す瞬間が……ッ!!
「クククッ……無様に腸をぶち撒けろ!」
俺は迷わず、引金をひく。
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