△肆

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 不規則に動いて位置を予測されないように動きながら、この悪魔の如き狙撃手への対策を考える。 ――そのときまた、黒い何かを感じた。  刹那、背後で発光。  こいつは、【波動崩落弾(ウェイブ・フォールアウト・バレット)】で間違いないな。  目標を見失った共振波動の増幅点で、対象とされた分子と同じものがあれば崩落現象を起こし、余剰エネルギーが光として放出される――要はミスショットの証だ。  どうやら黒い何かと狙撃手は関係があるようだな。  というか同一か?  何にせよ確かめる必要がある。  現状【天征眼】は近接戦闘用に半径五〇mほどでしか展開していない。  黒い何かを感じた方向には、少なくとも五〇m先までは何もなかった。  つまり、俺の眼の範囲外か。  少し、範囲を広げる必要がありそうだな。  この船全体を精査した時みたいに、いや、方向が分かっているのだから、そっちに向けて限定的に、二〇〇mで行くか。  この船の全長なら、それでこと足りるはずだ。  廊下を走りながら【バルク】で壁を一部砂に変えて潜り抜け、【白刀】で床板を切り抜いて階下へと落ちつつ、【天征眼】の視覚を伸ばして行く。 ――俺の【眼】は会食室を通り、上へと長く続く広めの階段へ。     
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