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たったそれだけの人数でこの大型船を運行してきたのには勿論カラクリがあり、それは、あらゆる雑務を機械任せでやってきたってとこだろう。
掃除から機器整備、保守点検から戦闘に至るまで、全て。
コイツらにできることは、恐らくコンソールをいじるくらいのもんだな。
現に、大半が投降の意を示し両手を上げ始めていた……一人を除いて。
「く……ッ!!」
奥歯を噛み締めて、わなわなと身を震わせながら背後で武器を失ったスナイパーが起き上がってくる。
俺は右手の銃をホルスターに仕舞い、【白刀】も刀身を消してベルトに戻した。
「死ねぇぇぇぇえええええ!!」
スナイパーの手元から翻ったのは、鈍い光を放つ凶刃。
あら、武器一つ砂に変えるの忘れてたみたいだ。
しかし近距離かつ背後を取っていることから、それで殺せるとでも思ったのか?
もしくは、マトモな判断ができなくなっているのかな。
見えない位置からの狙撃を回避し続けた俺に、そんな攻撃をしても無駄なことくらいはガキでも分かりそうなものだが。
この程度の動きなら、翼の【加速】に頼るまでもない。
俺は左半身を後方に捌きながら、左手刀を放つ。
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