7. 世界に蔓延る彩色の宴

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 白い肌に真紅の長外套を纏い、白亜の単車で空を切る金髪碧眼の美青年だ。  まぁ、そんなもん計測しないでも分かってたけどな。  何故なら、ミサイルどもとは発見時から目が合いっぱなしなのだ。  つまり標的は、俺。 ――ったく、こんなに接近されるまで、このクソバイクは何をやっていたんだよ!?  警報装置の一個ぐらい付いてんだろ?  そう思ってハンドルの間にあるディスプレイを睨むと……はじめに赤く点滅する警告表示が目に入った。 【レグナス】搭載AIは警鐘を乱打していたらしい。  耳を澄ませば、か細い悲鳴にも似た何かが聞こえるが、耳元を占有する爆風に掻き消されて、その警報音は俺の耳には届かなかった。  この単車には車体周辺の空気の流れを緩やかにするという流体力学に基づく優れた快適機能が備わっているのだが……その防風機能は燃料節約のため、エコモードに設定済み。  反省を〇.〇二秒でやめて、左に思いっ切り身体を倒す。  右にカーブを描いていた愛機の軌道は、直角的に左へと折れる。  急なベクトル変化による凄まじい慣性力により、車体全体が軋み俺の骨格と筋肉も悲鳴をあげた。  直後、ミサイル群が大地に降り注ぐ。  同時に物理斥力場が右側面で自動展開された。  爆風と力場が接触し、青白い火花を散らす。     
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