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幽霊と同居?
春休みも終わり近くに、安宅孝は叔父のマンションから一人立ちするため別のマンションへ引っ越しをした。
永く独身だった叔父が結婚するため、孝が遠慮したのだった。
「孝、ホンマにエエんか?今まで通り一緒に暮らしてたらエエんやで、望美も心配してるんやで。」
引っ越しの当日になっても、叔父の勇二は孝に残るように進めて来た。
「うん、ありがとう、勇さん。けど、やっぱり一人暮らしをしてみたいんやわ。それに、新婚の邪魔はしたないしな(したくないしね)。それに、なんちゅうても、近くやし。」
孝の言葉にしぶしぶという感じで、
「兄貴によう似とるな。まあ、近くやし。中学校の学区内やしな。しかたないな。後で、夕御飯を一緒にたべるんやで。」
「うん、きょうの夕御飯は一緒に食べます。それに、チョコチョコお世話になりにきますしね。」
「そやな、まあ、そんなに離れてないしな。わかった、ほなら、仏壇をしっかり頼むで、お前しかおらんのやからな。」
勇二もしぶしぶという感じで、甥っ子の独り立ちを祝福してくれ、おまけに仏壇という後継ぎに必須の物を押し付けられていた。
「ほな、勇二さん、行って来ます。夕方、電話しますわ。ほな(それなら)お嫁さんによろしゅうに。」
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