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「全然帰ってこないからそんなことだと思ったわ」
今、もう諦めていいわよって呼びに行こうと
思ったとこ
そう言って肩をすくめる姿はこの森に似合った
あどけない美しさを示していた。
「この2匹とも俺が釣ってね、アレクは」
「あーそんなことだと思った!カナタは要領
いいのよねえ。教えた農業もすぐ自分のもの
にして今じゃ稼ぎ頭だしー。」
一度落ち着いたアレクの顔が別の意味で
赤くなる。
「うるっせえ。たまたまだよ、たまたま!
釣りなんて運だろーがっ」
そうでもないと思うけど、
そんなことを言ったらまたボルテージを
あげるだろうとカナタはそっと口に手を当てた。
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