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第十一章 恋心
「高校の卒業式、本当は気持ちを伝えたったんだけど、とても私にはそんな勇気がなかった。本当にこというと・・和彦が私の初恋?の相手なんだよね。
和彦と一言でも話ができたらなっていつも思っていた。」
「でも俺は、あの当時イケててモテていただったやつらと違い、花束ももらえず、みんなの写真の輪にも入れてもらえず一人さびしく帰ったけどね。」
「うん」
「俺は、大学に入ってから、未来のことずっとかわいいと思っていたから最初にフランス語の授業で声をかけられたときは、心臓が飛び出すかと思ったよ・・」
「本当に?」
未来の顔がぱっと花が咲いたように明るくなった。
「本当、本当。あの日の授業の内容なんて何も覚えてないくらいだもん」
「いつも覚えてないんじゃないの」
「まぁそれも一理あるな」
「で、ごめん脱線して、で結局、おわかりのとおり、この大学に来ているってことは見事にT大学を落ちたのね」
未来は何かを決心しているかのように握りしめていた両手をさらに強くギュッと膝の上で握った。
「うん」
「両親の激怒はすごかった。おまえみたいな奴は家の子供じゃないって言われて、家を出て行けって言われて・・・。いきなり私の部屋にあった、荷物をポンポンと庭に投げ捨てられて・・・」
というと未来は、また、ポロポロと泣き出した。
「うん。うん・わかるよ。俺にも優秀な兄貴がいるから」
「それで、高校の屋上から飛び降りたの。」
~十二章 告白に続く~
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