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十二章 告白
「え!」
一瞬頭の中がはてなマークでいっぱいになった。
でも未来はまじめな顔をして話を続けた。
「そうきっとあなたがとびおりる二日前くらいにね。で、私もその神様代理部長さんに助けられて」
「じゃもしかして俺達両方とも自縛霊だったわけ」
「みたいね」
「それで、偶然知り合った。もしかして原宿で話をしようとしたのはそのこと?」
「うん。でも絶対に信じてもらえないと思って」
「で、私も1ヶ月以内にキスをしないと自縛霊に戻るか地獄に落ちるか・・・・」
とそこまでいうと二人とも黙り込んでしまった。
両方同じ立場なのはわかった。お互いの気持ちもわかった。でも、だからといってキスをするのは、なんか不自然というか恋愛の流れに逆らっているような気がした。
「で・・・・でも、未来も多分同じ事考えているんだろうけど、生き延びるためにキスをするのはいやなんだろう・・・」
「和彦もいやでしょう・・・打算的で・・」
「まあな・・・未来のことは大好きだけど、じゃあしましょうっていうのもおかしいしな」
「うん。じゃ二人とも自縛霊になってこの世をふらふらしながら付き合う?」
「まあそれもありだろうけどな・・・」
いやだめだ。神様部長代理が言っていた。今度こそ地獄にまっさかさまだと。
地獄でデートなんてもちろんできないし、そんなお想像の範疇外だ。
二人はそのまま黙り込み、未来が窓の外に視線を移した瞬間。
第十三章 天国のKissに続く
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