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第十三章 天国のKiss
「あ!!!」と叫んだ。
ちょうど、外に立っていたお母さん達が話に夢中になっている時に、小さな子供が線路のほうに歩き出してしまったのであった。
「あぶないわ!あの子・・・・」
というなり未来は、店を飛び出した。
和彦もお金をそのまま机に置くと未来の後を追った。
カンカンカンカン運悪く踏み切りが鳴り出した。
母親は真っ青になったままそこから動けなかった。
特急電車がちょうどスピードを上げて子供に向かってきた。
「どうせ、一度死んだ命なんだから、和彦、さようなら」
というと子供を突き飛ばし未来の姿は特急電車の向こうに消えた。
キキ!!!!!!!!!
特急の運転手がやっと気づき、ブレーキを踏んだが間に合わなかった。
「また、私死んだんだ・・・でも今度は人助けを・・・・」
と思った瞬間自分のことを間一髪で和彦が抱きかかえて倒れこんでいた。
そして・・・・・・・
抱きかかえた瞬間、偶然にも二人の唇は重ねあっていた。
母親が真っ青な顔をして俺と未来の方に飛んできて子供を連れて行った。
おいおいお礼の一言もいえよな・・・と和彦は心の中でつぶやいた。
「未来・・けがはないか?」
未来の方にかがみこむと未来の顔は真っ赤だった。
「未来・・・愛してる。これはきっと運命なんだと思う。君と出会うことはきっとずっと前から決まっていた。だから俺は今もここに生きているんだ。」
「わ・・私もそう思う。」
そういうと二人は立ち上がり優しく抱き合い長く熱いKissをした。
そう、天にも昇るような気もちで。
天国にいるようにまわりを柔らかい風が舞っていた。
偶然なのか必然なのか、それとも神様部長代理のおかげなのか・・・・
俺たちは、自然に唇と唇を合せていた。
最終章 エピローグに続く
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