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最終章 エピローグ
空は澄み渡り、初夏の風が気持ちよかった。
カランカラン
教会の鐘の音が鳴り響く・・・・
タキシード姿の和彦とウェディング姿の未来が教会の十字架の前で互いを見ながら微笑む。
両家とも誰の列席もない、二人だけの結婚式。
それでもいいと思った。
誰に理解されなくても、誰からも相手にされなくても、空気のような存在だと思われても、未来がいれば・・・
もし、世界中が敵にまわっても、一人だけでも自分のことを信じてくれる人がいれば生きていける。
神父姿をした神様代理部長が神妙な顔で二人に向かった話始める。
『自分の人生、自分自身だけが主人公なんじゃから逃げちゃだめだ。人生はな、幸せなことと、不幸なことは半分こ。それを幸せと感じるか不幸と感じるかは、そいつの考え方一つなんじゃよ。
でも君たちは、運命の人に出会えた。これは幸せなことじゃと思う。
嬉しいことも悲しいこともある人生だからこそ、辛い、悲しい、苦しいことの半分をお互いに背負えるパートナー、幸せも半分こにしてお互いに喜びあえる
そんな人が大切なんじゃよ。」
幸せも不幸も自分の感情、自分の気持ちが決める。
何度もいろんな本で読んだフレーズが実感となってくる。
未来となら喜びは半分ずつ分かち合い、苦しみは半分背負える。
そう思って未来を見つめる。
「神様代理部長様ありがとうございます。これからは、未来と一緒にゆっくり自分達の幸せ探しの旅に立ちます。
「神様代理部長様、本当に和彦と出会わせてくれてありがとうございます。みらい(未来)の名前に負けないくらい輝かしい未来をこれから自分で築いていきます。そして・・・
もし自殺をしたい人がそばにいたらきっときちんと説得してみたいと思います」
『おうおうそうしてくれるとわしの仕事も減るので、楽になるの~よろしくな・・・もうこれでわしゃお前さんたちの前に現れることはないとおもうが達者でな』
「神様代理部長様もお元気で・・・・」
というと、神様部長代理がそっと消えた教会で和彦と未来はお互いが今生きていることを確認するように甘くて長いKissをした。
~Fin~
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