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「もういやだ、生きていてもいいことなんて何もないよ。家では、秀才肌の兄貴と小さい時から比べられて、小学校から高校までは、クラスでもぜんぜん目立たない存在で・・・
この間のクラス会なんてひどかったよな・・
誰も俺の名前覚えてないんだもんな。
それに、それに・・・こんな俺でもはじめてできた彼女、玲子にもフラれるし・・・
人生ってなんでこんなに不公平何だろう。
モテる奴はモテるし、何でもできるし・・
でも、俺は好きになっても、いつも片思い。
天は二物を与えずなんていう言葉くそくらえだ!!
俺なんか死んだって誰もきっと悲しんでなんかくれないんだ・・・それどころか、お葬式にきた奴らが、大場って誰だっけっていわれたりしたりしてなww。神様、仏様、キリスト様、今度生まれ変わるときは、顔がよくてスポーツができて、勉強ができる人間に生まれ変われますように!!」
『バカモン!そんなに都合がよく生まれ変われるか?人間は努力して何ぼじゃい』
「やべぇ・・・・幻聴まで聞こえてきやがった。さっさと飛びおりなきゃ・・・
皆さん・・・・大場和彦は、今から死にますよ。この校舎の屋上から飛び降りますよ。大丈夫ですか?止めなくても・・・?」
ってこんな時間、誰もいるわけないか。
明日の新聞の3面記事くらいにはのりてぇな
こんな奴でも、虫けらみたいに死んでも、生きていた証にな・・・」
『すいぶん口が達者なやつだな、そんなにいやなら飛び降りなきゃいいじゃろ』
「やべ・・俺キチガイになっちゃたんかな・・・よし飛び降りるぞ・・・1、2の3・・・の4の5の・・・」
『そんなんじゃ、いつになったら飛び降りるんだ・・・もうやめとけやめとけ、おまえみたいな意気地のない人間に死ぬのは無理じゃって』
「わかったよ・・・わかったよ・・・飛び降りればいいんだろう!!!!!!!」
というともう、やけくそになって大場和彦は自分の母校の高校の屋上から飛び降りた。
~第二章 大場家へ続く~
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