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第二章 大場家
「母さん、母さんやばいよ。和彦自殺したって!!」
「またぁ・・今度はどこ切ったの?手首、頭ぶつけたの、睡眠薬の飲みすぎ??」
「本当の話だよ。今、警察から電話がはいっているんだよ」
「もう・・・この朝ご飯を作っている一番忙しい時間帯に警察も迷惑ね!!」
「とりあえずいいから出てよ・」
と和彦の兄、康彦が受話器を母親に渡した。
「はい。大場でございます。」
よそゆきのちょっと甲高い声で母親は、電話にでた。
「え・・はい。和彦は家の息子の一人・・あのできそこないのほうですが・・・・・・
え!!!和彦が、屋上から自殺を・・・まあ、申し訳ございません。死んでまで警察の皆様にご迷惑をおかけして。今すぐに参りますので・・といいましても、化粧をするので、1時間後くらいに参ります。何か持っていくものございますか?はぁ・・主人にも連絡をとったほうがいいと・・わかりました。」
というと和彦の母親は受話器を戻した。
「康彦、なんか和彦が人生に絶望して、自殺したんだってそれも母校の高校の屋上から、お父さんに連絡を取って一緒に行ってきてくれる?和彦の死体なんて怖くて見られないし、今日、華道一緒にやっているお友達とランチの約束しているのよね」
「母さん、ふざけるのもいいかげんにしろよな・・息子が一人死んだんだぞ」
「そうね。康彦じゃなくってよかったわ・・
じゃ仕方ない。化粧するから、待っていてね」
そう、もう読者の皆さんにはおわかりのとおり、和彦の大場家での扱いはこんなものだった
~第三章 お葬式へ続く~
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