第七章 イメチェン

1/1
前へ
/15ページ
次へ

第七章 イメチェン

原宿は土曜日だからなのか竹下通りはどこも人だらけで、まるで明治神宮に初もうでのような混雑だった。 「原宿って天の川さんはよく来るの?どこからか人がわき出てきた位混んでるね・・・」 俺は、初めて来た原宿の竹下通りの混雑にびっくりした。 それも色とりどりな服装・・お人形さんのような服装やなんていうか何かの ビジュアル系グループのファンのような服装や・・・・ あまりのカラフルな光景に目を丸くしてしまった。 「私のこと、未来って呼んでくれていいよ。原宿は、この頃になってよく来るかな。ファッションとかの参考にもなるしね。」 なるほど・・・とよくわからない納得をして俺は、天の川さんに感じていた違和感について訊いた。 「そういえばさ、み・・未来はどうしてイメチェンしたわけ」 「私・・・・実は・・・う~んと・・まだ、話したくないからまた、今度でもいいかな?」 「いいよ・・・」 「それより、まずコンタクト屋さんだね!!」 未来は、和彦の手をとると、コンタクトレンズを作るように薦めた。 幸い、和彦の視力に合ったワンデー用ソフトコンタクトレンズの在庫があったので早速装着してみた。 「やっぱり~絶対そのびん底メガネよりいいと思ったんだ」 「未来だってびん底だったじゃないかよ・・」 「だから、コンタクト、それもカラーコンタクト、カラコンにしたんだ・・・ダイエットもしたし、今は、もう死にたいなんて思わなくて人生楽しいよ!」 「死にたいって・・・?」 「あ~うん。なんでもない。じゃ次は、洋服ね、そのボロボロのシャツやめて・・・うんこれなんかどう?」 未来が和彦に薦めたのは、今までに着たこともない、垢抜けたシャツであった。 試着室からでるなり、未来は、その形のいい唇をつぼめて 「ひゅー」 と口笛をふいた。 「かっこいいじゃん。絶対明日から、大場君だとは、みんな思わないよ・・・」 「それって、喜んでいいの?それとも馬鹿にされてるの?」 大場は少しふてくされながら言った。 「いいからいいから」 といって未来は、和彦の袖をひっぱって、女の子がたくさん並んでいる列の最後にならんだ。 ~第八章 とんでもない約束へ続く~
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加