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第七章 イメチェン
原宿は土曜日だからなのか竹下通りはどこも人だらけで、まるで明治神宮に初もうでのような混雑だった。
「原宿って天の川さんはよく来るの?どこからか人がわき出てきた位混んでるね・・・」
俺は、初めて来た原宿の竹下通りの混雑にびっくりした。
それも色とりどりな服装・・お人形さんのような服装やなんていうか何かの
ビジュアル系グループのファンのような服装や・・・・
あまりのカラフルな光景に目を丸くしてしまった。
「私のこと、未来って呼んでくれていいよ。原宿は、この頃になってよく来るかな。ファッションとかの参考にもなるしね。」
なるほど・・・とよくわからない納得をして俺は、天の川さんに感じていた違和感について訊いた。
「そういえばさ、み・・未来はどうしてイメチェンしたわけ」
「私・・・・実は・・・う~んと・・まだ、話したくないからまた、今度でもいいかな?」
「いいよ・・・」
「それより、まずコンタクト屋さんだね!!」
未来は、和彦の手をとると、コンタクトレンズを作るように薦めた。
幸い、和彦の視力に合ったワンデー用ソフトコンタクトレンズの在庫があったので早速装着してみた。
「やっぱり~絶対そのびん底メガネよりいいと思ったんだ」
「未来だってびん底だったじゃないかよ・・」
「だから、コンタクト、それもカラーコンタクト、カラコンにしたんだ・・・ダイエットもしたし、今は、もう死にたいなんて思わなくて人生楽しいよ!」
「死にたいって・・・?」
「あ~うん。なんでもない。じゃ次は、洋服ね、そのボロボロのシャツやめて・・・うんこれなんかどう?」
未来が和彦に薦めたのは、今までに着たこともない、垢抜けたシャツであった。
試着室からでるなり、未来は、その形のいい唇をつぼめて
「ひゅー」
と口笛をふいた。
「かっこいいじゃん。絶対明日から、大場君だとは、みんな思わないよ・・・」
「それって、喜んでいいの?それとも馬鹿にされてるの?」
大場は少しふてくされながら言った。
「いいからいいから」
といって未来は、和彦の袖をひっぱって、女の子がたくさん並んでいる列の最後にならんだ。
~第八章 とんでもない約束へ続く~
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