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「真彦、復活おめでとう~!」
朝からクラッカーを鳴らしながら、僕の風邪が治ったのを祝ってくれるクリスタ。うん、朝からうるさいよ。
「ありがとう…」
「真彦の復活を祝って、ケーキを焼いたの!」
「えっ!?」
クリスタは呪いがかけられてそうな、不気味に黒光りしたケーキを僕に差し出した。
朝からケーキ…しかも、クリスタの手作りか。
「天使のケーキだよっ!さあ、遠慮しないで。食べて、食べて!」
断ろうにも、クリスタの両手に貼られた絆創膏が努力の色を滲ませる。
これは、断るのは気が引けるな…。
「い、いただきます…」
「うん、どうぞ!ガァーッと一気に行っちゃって!」
ガァーッと一気に天国に行ってしまいそうなケーキを目の前に持ってくると、鼻を突き刺す強烈なアンモニア臭がした。
いったい、なにを入れたらこうなるんだ!?
「さあ、さあ!」
期待の眼差しで見られ、僕は決意を決めた。
えぇーい、死なばもろとも!南無三!
一気に口にほうり込み、僕は意識を失った。
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