6. キスから始まる恋もある!

5/16

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「なんだ、白髪か……あ、ここにもある」 「ん?」 僕はクリスタの羽の付け根にあった、黒い羽を指さした。 「あ、ほんとだ~」 少し顔を歪めて、えいっとクリスタはその羽を引き抜いた。 「いてて……」 「ていうかクリスタ、結構、白髪があるんだね。なんだかおばあちゃんみたいだ」 「あ、ひどーい!」 もう今は、キスをした時のような鼓動はおさまっていた。いつものように、会話できる。 「その羽ってさ、痛覚とかあるの?」 「うん、あるよ~」 「じゃあ、羽を抜いたらどのくらい痛いの?」 「ん~……」 クリスタは僕の目の前に来て、 「うりゃ!」 僕の髪を鷲掴みにし、問答無用で引っ張った。 ぶちぶちっと何本か持っていかれた。 「ぎゃぁぁぁああああ!痛い!なにすんだよ」 「え、だってどのくらい痛いかって聞くから……。このくらいだよっ!」 「言えばわかるわ!」 僕がハゲたらどうしてくれるんだ。 クリスタはえへへ~と笑って悪びれる様子もない。 「あ、私ちょっと買いにいかないといけない物があったんだ」 「え、こんな時間に?」 時刻はもう夜の8時をまわっている。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加