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一人で出歩くのは危ないんじゃないだろか。
「僕も一緒に行こうか?」
「あ、いいの。すぐに戻るから! 真彦は明日のために先に早く寝ててね!」
クリスタはさっさと玄関を出て行った。
「あ、真彦」
玄関から頭だけをぴょこんと出しながら、クリスタが僕を呼んだ。
「なに?」
「明日は頑張ろうね!」
クリスタの笑顔に、ドキッと胸が高鳴る。
いつものクリスタのはずなのに、今日の僕はどうしたんだろう。
「……うん」
「それじゃあ、おやすみ!」
「おやすみ……」
クリスタがドアを閉めて、僕は気合いを入れた。
ようし、クリスタにここまで手伝ってもらったんだから、明日は絶対、成功させるぞ!
布団に潜り込むも、なかなか寝つけなかった。
頭に浮かんで来るのは、先ほどのキスのこと。
柔らかかったな……。
しばらく、興奮状態に陥ったが、いつの間にか僕は眠りに落ちていた。
家を出たクリスタは、ドアを閉めたとたん、壁にヘナヘナと座り込んだ。
驚いた。真彦が急に男の子に見えたのだ。
いや、男なのだけど。
「まだ、ドキドキしてる……」
胸に手をあて、暴れる鼓動を落ち着かせる。
震える手で、そっと唇を触った。
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