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「だから、せっかく作ってもらって悪いけど、今は食べれないよ……」
「えー、せっかく寝ないで作ったのに……」
え?そうなの?
「カツ丼食べて、告白にカツ!って……」
クリスタの両手には再び努力の跡が巻かれていた。
ションボリとしたクリスタに、胸がキューっと締め付けられる。
「まあ、そうだよね。ごめんね、気を使わせて」
「ちょっと待って!」
「え?」
「やっぱり、頂こうかな……」
「真彦……!」
パアッと明るくなるクリスタ。
うん、バカだな僕は。せっかくクリスタが徹夜で僕のために作ってくれた料理を食べないなんて……。
クリスタの気持ちを、踏みにじるわけにはいかない!
「いただきまーす!はむっ、ぐぼぁ!」
こうして、いつものように幕が開けた。
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