6. キスから始まる恋もある!

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虫メガネの中の二人に、動きがあった。 真彦が熊倉に顔を近づける。 (ーーーーいった!) ガッツポーズをしたエレナだったが、その手が固まった。 もう少しで唇が重なる。というところで熊倉が、真彦の口に手を押し付けたのだ。 (ーーーーうそ……失敗!?) これは、予想外のことだった。 熊倉は確かに真彦に好意を抱いていたはず。 それなのに、キスを拒んだ。 固まる真彦に、熊倉が思いもよらない言葉を放った。 『真彦くんの好きな人って、クリスタちゃんでしょ?』 エレナには話しが見えなかった。 (クマ、勘違いをしているんですか?) 真彦は慌てて訂正した。 『ち、違うよ。僕が好きなのは熊倉ーー』 『じゃあ、なんで昨日二人はキスしたの?』 熊倉の言葉に固まったのは、真彦だけではなかった。 (クリスタが……真彦くんと、キス……?) トイレから、慌ててクリスタが戻ってきた。 「あー、二人とも起き上がってる!どうなった?どうなったの!?」 「しっ!黙ってください」 「は、はい!」 エレナの勢いに押され、クリスタは押し黙った。
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