最終章

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「・・・ううっ。」 少しだけ大人びた彼女の顔が、昔のべそ掻きに戻って行く・・・ でも、ずっと昔から、その顔がオレの唯一の泣き所だったのも事実で・・・ 当然のごとく・・・罰なんて一瞬で終わった。 「フフッ・・・ウソだよ。」 「・・・ウソ?」 「ああ。」 「じゃあ、日本には・・・」 「千里・・・」 そう・・・オレには、もっと・・・キミに伝えたい言葉が・・・ 「・・ん?」 「すごく・・・キレイになった。」 言いながら・・・もう一度、千里をギュッと抱きしめる。 そんな光景を教授が覗き見していたという、悪夢のような話を聞いたのは・・・ずいぶんと後の事だ。
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