第2章 この恋の行方

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「えーッ!アオイちゃんのお腹の中に、赤ちゃんがいるの?」 「ああ。エコーの写真も見せてもらったよ。まだ4ヶ月だけど・・・」 「っていうか、オジサマと結婚してるんでしょ?何で今頃?」 「きっと、オレに気を遣って子供を作らなかったんだろうね。でも、アオイにも、女の幸せを味わわせてやりたいから・・・言ってやったんだ。アオイみたいな妹が欲しい、って。」 「子供を・・・作る?」 まだ小学生だった私には、正直、よく分からなかった。 当時は、結婚したら誰もが自動的に妊娠するものと思っていたし・・・女の幸せなんて考えた事もなかったから。 「まだ・・・分からない?」 「・・・うん。」 「じゃあ、いつか・・・オレが教えてやるよ。」 あれは、いったい・・・どういう意味だったのだろう? 夜道を並んで歩きながら、昂くんの方へゆっくりと左手を伸ばした。 「フフッ・・・あいかわらず怖がりだな。」 「・・・ごめん。」 繋いだ手から、昂くんの温もりが伝わって来る。 いつもと変わらない、昂くんの温かい手・・・ 昔から、ずっとずっと変わらない・・・昂くんの・・・ 「ねえ、昂くん・・・」 「・・・ん?」 「見て、月がとってもキレイ・・・」 「ああ。」 まるで昂くんのように、穏やかに照らし続ける月の光・・・ 私は、夜空に浮かぶ月を眺めながら、ひっそりとこの恋の行方に思いを馳せた。
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