第3章 悠太の思い

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「おッ、昂、おかえりー!」 誰の断りもなく、我が物顔でゲームを楽しんでいる悠太は、オレの姿を認めるなり上機嫌で右手を上げた。 「ああ・・・もうすぐ夕飯だから下りて来い、って。」 ・・・と、その瞬間。 「うわッ、マジか!」 「ユータ」と名付けられた貧弱なキャラクターがフルボッコにされた後、画面にデカデカと「GAME OVER」の文字が表示された。 「コイツ、強えー!たぶん、今までで最強だな!」 (フンッ、まだ初級のくせに・・・) 1人盛り上がっている悠太を横目に、無言のまま制服を脱ぐ。 「よーし・・・こうなったら、本気を出すしかねえな。」 「・・・・」 「なめんなよ!絶対に、オマエだけは倒すッ!」 ・・・はぁ。 どうやら、下に行く気など毛頭ないらしい。 オレは、諦めて先に風呂に入ってしまおうと、クローゼットから着替えを取り出した。 ・・・すると
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