最終章

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オレの左足首には、そんな千里の思いがいっぱい詰まったミサンガが結ばれている。 足に結んだのは、手に結ぶより汚れないんじゃないか?と思ったからだ。 でも、勝手が分からなかったので、結び方や作法をネットで調べてその通りにした。 「願い事を唱えながら、手首や足首にしっかりと固く結びましょう。途中で(ほど)いてしまうと願いは叶いません。あと、ハサミで切った場合も同様なので、あえて手は加えず自然に切れるのを待って下さい。切れた時が、願いが叶う時です。」 たしか、こんな文言だったと思う。 その後、1年が経ち、2年が経ち、3年目を迎えた頃・・・いつになっても切れないミサンガを見つめながら、「願い事なんて、一生叶わないんじゃないか?」と途方に暮れたりもした。 でも、形あるものはいつか壊れる・・・はずだ。 いつしかオレは、その切れないミサンガに疑念を持ち始め・・・再度ネットで検索しようと試みる。 ・・・すると、 「ミサンガは、編んでいる紐の種類によって、切れる期間が違います。特に、麻の紐は強度があり、一般的な刺繍糸よりも・・・中略・・・その為、麻で編んだミサンガは、なかなか切れないでしょう。」 ・・・・。 ・・・コレ。 どう見ても、麻・・・だよな?
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