最終章

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そんなこんなで、丸4年・・・ 千里から「ミサンガが切れた。」という報告も聞いていないし・・・どうやら、オレたちの願いは当分叶う事はないらしいな、って思った。 まったく・・・どうせなら、ソッコーで切れる「しつけ糸」とかで編んでくれればよかったのに。 まあ、それはそれで、切れた時にまったく有難味を感じないんだろうけど・・・ ・・・とにかく! 切れないという事は、それだけオレたちの願いが遠くにあるという事だ。 ちなみに、オレは・・・ 『早く千里に会えますように・・・』 そう願いながら、足首に結んだ。 当初からオレは、研究を成功させ、自分に自信がつくまでは千里に会わないと心に決めていた。 つまり、それは、「千里に会う」=「全てを手に入れた」という意味であり、アレは、それゆえの願い事だったというわけなのだが・・・ 正直、あの頃は・・・まさか、4年も切れないままでいるとは思ってもいなかった。
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