最終章

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***** ・・・翌日。 大学の研究室のドアを開けると、教授が満面の笑みでオレを迎えた。 「コウ!朗報だよ!」 「何だよ、朗報って。どうせ、その辺にいる女子の連絡先をゲットしたとか、そんな事だろ?」 「いいや!今回のは、ガチのアレだ!」 「ん?ガチのアレって?」 そう言いながら、目の前にあるソファに腰掛けると・・・教授はいつものように、オレの膝の上にチョコンと乗っかって来た。 「製薬会社から、正式にオファーが来たんだよ。」 「・・・マジで?」 「ああ。これで、承認が取れれば、大量に薬が作れる。私たちの研究のゴールが、やっと見えて来たんだ。」 ・・・何という事だろう。 途中から参加した研究とはいえ、初めてづくしのプロジェクトの仕事は難解を極めていて・・・ ここに辿り着くまでには、数々の壁を乗り越えなければいけなかった。 でも・・・ 「コウ。よくやってくれたな。改めて感謝するよ。」 「いや、教授こそ・・・オレを呼んでくれて、ありがとう。」 ようやく、その努力が実を結んで人々の役に立てる日が来る。
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