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「最初は薬の製品化ではなく、あくまでも治療法を見つける為にやっていた研究だったから、製薬会社も全面的に協力してくれていたわけではなかったし・・・そこで終わると思っていたがね。やはり、コウが言った通り、製品化にシフトチェンジしてよかったな。」
「まぁ、向こうも儲からなければ乗って来ないだろうし・・・投与出来る薬の方が、医者も患者も扱い易いしね。」
「ふん・・・あとは、国が承認してくれるのを待つだけだ。」
「・・・だな。」
オレの膝の上で、感慨深げに頷いている教授の長い髭が、ゆらゆらと揺れている。
そのモフモフの動きは、いつもより2割増しで可愛らしくて・・・
オレは、この瞬間を切り取って写真に収めたら、きっと桃たちは手放しで喜んでくれるんだろうな?などと思ってしまった。
「ところで、コウ・・・」
「・・・何?」
「その後・・・キャサリンとは、どうなってるんだ?」
・・・え? いきなり?
「・・・・」
「ふん・・・だんまり、か。知らない間柄でもあるまいし・・・私に隠す必要なんてどこにもないだろ?」
「べ、べつに・・・隠してなんか・・・」
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