最終章

22/31
前へ
/511ページ
次へ
「ふーん・・・千里のミサンガ、切れたんだ。」 そう呟きながら、左の足首を見る。 オレのも、そろそろ・・・首の皮一枚で繋がってるところまで擦り切れて来た。 『へぇ・・・よかったじゃん。オレのも、もう少しで切れそうだけど。ところで、目標って?千里は、何をお願いしたわけ?』 そう返事をすると、数秒で返信が送られて来た。 『うふふ・・・内緒。』 『内緒?教えてくれたっていいじゃん、ケチ!』 『もうすぐ分かるから。それまでは、内緒で。』 そういえば・・・オレと離れる前からずっと、千里は「やりたい事がある」って言っていた。 それを教えてくれる事は、一度もなかったけど・・・ まぁ、何はともあれ・・・彼女が目標を達成出来たのなら、オレも嬉しい。 『よかったな、千里。オレも、切れたらすぐに連絡するよ。』 オレは、そう返事を書いて、その日のやり取りを終えた。
/511ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加