最終章

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「何で・・・ココに・・・?」 思わず口をついて出た言葉に、自分自身が一番戸惑っていた。 (落ち着け、オレ!他人の空似という言葉がある通り、まったくの別人なのかもしれないし・・・) でも、肩から下げたバッグの片隅に、オレと色違いのミサンガを見つけた、その時・・・ 「・・・あ! 」 オレの頭の中で、今まであったすべての出来事が・・・一つに繋がって行く。 たしかに・・・思い当たる節はたくさんあった。 ココ数日、メールの返信が早かった事も・・・ 同じ時間に月を見ていた事も・・・ 教授が、やたらと新しい留学生に会わせたがっていた事も・・・ すべて・・・コレが、答えだったんだ! 「フフッ・・・ハハハッ・・・」 そう思ったら、何だか笑いが込み上げて来た。 ・・・そうか! 千里が言ってた「やりたい事」って・・・オレと一緒にアメリカの大学へ留学する事だったんだね。
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