第1章 奪う女

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   ある時、好きな人が出来たって話した。  数日後、彼の隣にいたのは私じゃなくて、あの女だった。  高校の頃も、今回だってそう。  女優になろうって思ったのも、相馬 律――彼に憧れてたから。  けれど、いつの間にか彼の隣にはあんたがいた。  あんたは、男や自分にとって都合のいい人間に媚びるのが上手だから、私と違って。  ああ本当、バカ正直にあの女に話したのが間違いだった。  ……ねぇ、泥棒猫の唯花さん?  今着けてるそのネックレスだって、ずっと前に私が貸してあげたやつだよね?  
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