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でも、もういいわ。
「ほら、唯花。お肉焼けてるよ!」
竹串に刺さっていい色に焼けた肉を取り渡した。
彼女が肉を頬張る姿を見て、内心ほくそ笑む。
いつまでも、昔のままだと思わないで。
もう、あの頃の私じゃない。
少しして、彼女に現れた。
足元がふらふらしている。頭を押さえて、明らかに具合が悪そうだ。
――当然。
だって、あんたに渡したその竹串は、他のと違って特別なんだから。
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