第1章 奪う女

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   でも、もういいわ。 「ほら、唯花。お肉焼けてるよ!」  竹串に刺さっていい色に焼けた肉を取り渡した。  彼女が肉を頬張る姿を見て、内心ほくそ笑む。  いつまでも、昔のままだと思わないで。  もう、あの頃の私じゃない。  少しして、彼女に現れた。  足元がふらふらしている。頭を押さえて、明らかに具合が悪そうだ。  ――当然。  だって、あんたに渡したその竹串は、他のと違って特別なんだから。  
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