第1章 奪う女

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   心配なふりをして、お茶を飲むように促す。 「ほら、しっかり水分補給しなきゃ!」  ――さっさと消えちまえ!  しばらく木陰にいても、彼女の体調は良くはならなかった。……当たり前だけど。  やがて「吐き気がする」そう彼女が言いだして、早々とお開きになった。       **  その日の晩、律さんからスマホに連絡が入った。  唯花が、あの女が死んだらしい。  彼の話だと、彼女は帰ってすぐにベッドで休んでいた。しばらくして様子を見に行ったら息をしていなかった――と。  
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