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男が手にしているのはモーニングスターだ。力の弱い女性でも扱えるが、力があり自在に操る技量があるのならば、それは大変な凶器となる。
間合いがつかみにくいこともあり、若干サーシャとは相性が悪い。
小柄な彼女の身長以上のリーチ差だ。
「どこの手の者だ!」
「ただの傭兵だよ。頭悪いの?」
口の悪いサーシャの言葉に反応してか、熊男がモーニングスターを放った。読んでいたためか、彼女は飛び退き躱す。だが、彼女の身代わりとなった地面は大きく裂け爆弾でも落ちたかのような大穴が空いた。
「へぇ、威力だけはすごいね」
カラカラと、サーシャは楽しげに笑った。
彼女の獲物は反り返ったククリ刀だ。彼女の動きは先ほど、手下を料理していた時の動きである程度予想しているのだろう。
熊男はモーニングスターを振り回し、彼女を面で制圧しようとしていた。
近づけば鉄球に引き裂かれるだろう。
「うわ……ありゃまずいじゃないのか!?」
「あん?」
ベルヌは後ろから掛けられた声に反応し、不機嫌そうに振り返った。
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