一体目 それが彼女だ

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 そこにはようやっと追いついてきたウォールたちがいた。  彼らは嵐のように振り回される鉄球を見て、真っ青になっていた。 「は、早く援護をしなきゃ……」  言葉には出すが、腰が引けているのが見え見えだった。  これでは駄目だ。やはりというか、まるで使い物にならない。 「黙って見てろ、サーシャはあの程度でやられるかよ」  吐き捨てるようにいい、彼は近くに腰掛けた。  さて、彼女の饗宴を肴に酒でも飲むとするか……    幸い、飲むものには困らない。  そう、彼は近くに落ちていた火酒の瓶を拾い上げた。  今日もいい星夜だ。                 ・
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